発展途上国においては洪水被害軽減に向け,地上観測網の拡充が望まれているものの,早急に対応するのは容易ではない.
一方,近年では衛星による降雨データプロダクトが多く公開され始めている.衛星降雨データは全球的に降雨量を把握できることから,水文情報の乏しい地域における洪水予警報システムの構築に役立つと考えられる.
しかし,時空間解像度の高い衛星降雨データを用いても,その精度は過小評価されることが示されている.
本研究では,白石らが提案したGSMaP補正手法を国内河川流域(吉野川)の降雨イベントに適用し,その適用条件を明らかにすることを目的とする.検証の結果,マイクロ波放射計による観測頻度が高頻度にあり降雨分布を再現できていれば,補正手法が適用可能であることがわかった.
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