主催: 水文・水資源学会
近年深刻化するヒートアイランド現象の対策として著者らは,従来から都市部を流れる河川の周辺で様々な気象観測を行っている.本稿で示す,人間活動の盛んな地域を流れる川幅約10~30mの小河川周辺で行った気象観測の結果から得られた知見を以下に示す. (1)河川沿いの気温は周辺に比べて最大約2℃低く,河川沿いがクールスポットとなっていることを示した. (2)風通しの良いエリアでは上空の風向風速によらず常に河川沿いの気温が低く,地上の風速が大きくなると河川沿いの気温が自動車道路沿いよりも約2℃低くなることを示した. (3)風通しの悪いエリアでは上空の風速が大きくなると周辺の気温に比べて河川沿いの気温が高くなることを示した.