中小河川の基本高水の算定において、降雨継続時間は、流域の力学的最遠点から の到達時間を基に決定すべきとされている。山本らにより、降雨継続時間の取り 方によって基本高水が変化することが明らかにされている。しかし、降雨から流 量のピークまでの時間が僅か数十分にも関わらず、日雨量、24時間雨量あるいは 二日雨量を用いるケースが数多く見られる。これにより基本高水流量の不確実性 が大きく増大することが予想される。本研究では、流域の地理特性や降雨特性が 洪水到達時間に及ぼす影響を分布型流出モデルを用いて調査し、算定式の導出を 目的とする。