主催: 水文・水資源学会
本研究では,過去の情報を有効に利用可能にするツールとして,自己組織化マップを利用して,台風や前線活動に伴った当時の気象状況と豪雨や災害の状況を有機的に結びつけ,豪雨の発生を診断し,その気象状況と類似する過去の気象状況と当時の豪雨災害履歴を検索するシステムを考案した.具体的に,2009年7月24日福岡都市圏に豪雨をもたらした事例をこのシステムによって診断すると,類似事例として1999年6月29日の福岡豪雨が含まれていることがわかり,当時の豪雨や災害の特徴を抽出することができた.このシステムを利用すると,平常時の防災教育や豪雨発生前の災害対応シナリオの構築に活用することが期待できる.