損害保険会社にとって、自然災害は経営に大きな影響を及ぼすリスクの一つであり、その中でも洪水は台風と並ぶ重要なリスクである。 その洪水リスクが気候変動に伴いどのように変化するのか定量的評価をするためには、将来気候下での降水量と、そこからの河川流量を推定する必要がある。東京海上研究所は名古屋大学水循環研究センターおよび京都大学工学院工学科・防災研究所と共同で、将来気候下での洪水リスク定量評価研究を開始し、第一段階として、分布型流出モデルを利用した過去の災害事例における流量のシミュレーションを実施した。本発表では、研究の概要と2004年台風23号の淀川水系におけるシミュレーションの結果を中心に報告する。