水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2013年度研究発表会
セッションID: 38
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【流域水管理・開発】9月27日(金)9:00~10:45
砂防堰堤における小水力発電ポテンシャルの推定―分布型流出モデルを用いた低水流出解析―
*五十嵐 剛藤原 賢也坂本 洋二宇野沢 剛土屋 十圀山田 正
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抄録

近年の地球温暖化対策やエネルギー政策の転換により,自然再生エネルギーへ注目が集まっている.山間地域では,砂防堰堤の落差を利用した小水力発電に期待が寄せられている.小水力発電の開発には,過去10年間の流量観測データが必要となるが,その条件が揃っている地点は稀である.安定した発電使用水量を決定する上で重要なことは,検討地点の流況図を作成する必要があることである.したがって,小水力発電の普及・進展には,過去10年間の流況を精度良く推定出来る流出モデルが必要である.また,小水力発電の適地検討においては,任意の砂防堰堤地点での流況をもとに比較検討できることが望ましい.本研究では,融雪,蒸発散量を考慮した分布型流出モデルを適用することにより,山間地域における任意の砂防堰堤地点での流況を精度良く推定し,安定した使用水量と発電ポテンシャルを算定することを目的とする.対象とする地域は,群馬県川場村を含む薄根川流域とする.本研究の結果,任意地点での過去10年の流況推定を可能とし,検証結果から精度のよい結果が得られたと考えている.従来,観測データが少なく小水力発電の申請が難しかった地域においても,本手法を適用することにより,過去の流況データと発電量を推定し,小水力発電施設の検討への足がかりとなることが期待される.また,分布型流出モデルを適用することにより,複数地点の発電ポテンシャルを同一条件で精度良く比較検討することが可能となった.これにより,小水力発電の候補地の検討をより合理的かつ根拠のあるものとすることができると期待している.

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© 2013 水文・水資源学会
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