水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2015年度研究発表会
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【気候変動・地球環境】
東アジアにおける確率的気候ハザード情報の推定手法の開発とElastic netによる高速化
*大楽 浩司上野 玄大
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p. 100132-

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抄録
異常気象に伴う風水害の頻度や規模など気候変動リスクについて評価・分析を実施するための基盤的情報を創出することが急務となっている.増加する気候シナリオアンサンブル実験の不確実性を確率的に評価・表現することが可能な評価手法の開発が必要である.本研究は,多数の気候モデルによるシナリオ実験の信頼性を確率的に定量化する手法を開発し,基盤的な確率的気候ハザード情報の創出を行うことを目的とする. 本研究では, 気候シナリオアンサンブル実験の信頼性を定量化するために,確率分布を推定する手法(回帰モデル)を検討・開発し,確率分布の推定を行った.本研究の手法は,モデル誤差や観測誤差を予め設定する必要がなく,エミュレータ等の構築が不要で,他地域・他物理量への適用や空間詳細化への応用が容易である.東アジアにおける確率地図情報の創出に向けた気候シナリオアンサンブルデータの大規模化への対応のため,Elastic Net法による解析手法の改良(高速化)を行った.東京における7月の気温の確率分布の推定を行った結果,リッジ回帰手法とほぼ同じ推定結果が得られた.解析に要した計算時間は1/25となり,大幅に高速化することができた.
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© 2015 水文・水資源学会
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