水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2016年度研究発表会
セッションID: 12
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【気候変動・地球環境(2)】9月15日(木)11:10~12:40
気象システム別降水割合のグローバルな将来変化
*内海 信幸Kim Hyungjun鼎 信次郎沖 大幹
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抄録

気候変動によって将来どのような気象システム(熱帯低気圧や温帯低気圧等)がその重要性を増すかを判断するためには、様々な気象システムに由来する降水の割合の変化を知ることが必要である。本研究では気象システムの客観検出手法を用いて第5期結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP5)で提供される気候モデル出力から複数の気象システム(熱帯低気圧、温帯低気圧中心、前線、その他)を検出し、各気象システムに由来する降水の割合の将来変化(現在気候1980-1999年から将来気候2080-2099年までの変化)を定量化した。
各気象システム由来の降水の割合が大きく変化する地域が主に亜熱帯を中心とする低緯度に見られた。また、そうした地域は現在気候において複数の気象システムの影響を強く受ける地域であるという共通点をもつことが分かった。降水がどのような気象システムによってもたらされているかは、その場所の気候的な特徴を決める一つの要因である。その意味で、今回確認されたような降水割合の変化が大きい地域は、気候変動により気候的な特徴が大きく変化する地域であると言える。

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