タイモンスーン地域におけるPJパターンと気象要因の異なる降水パターンとの動的応答

抄録

タイモンスーン地域の気象は、季節的および経年的時間スケールで高い変動を示す夏季のアジアモンスーンによって支配されている。異なる気象要因によって供給される降水は、PJパターンなどの様々な現象に対して異なる応答を示す。いくつかの客観的検出方法から、降水は影響範囲の広さや重要性の観点から熱帯低気圧、温帯低気圧、前線、西進擾乱、その他のように原因となる降水システムから区分できる。本研究では、タイモンスーン地域を対象に異なる降水パターンとPJパターンとの関係を明らかにした。結果として、各降水システムとPJパターンの間に高い正の相関があることが明らかになった。正のPJパターンは、降水イベントを増加させる傾向を示し、同時に夏の終わりごろの降水は、正のPJパターンを強化させる傾向があることがわかった。PJパターンと異なる降水パターンによって供給される降水の動的応答は今後さらに検討していく必要がある。