抄録
2017年7月5日から6日にかけて発災した平成29年7月九州北部豪雨(以下,本豪雨)は,死者・行方不明者が合計41名で,物的被害も甚大であった.7月5日13~17時における気象庁朝倉雨量観測所(同,JMA朝倉)での地上雨量データ,Cバンドレーダ,XバンドMPレーダ(同,X-MP)を比較すると.15時00~30分(黒枠部)において,X-MPの降水量が地上雨量やCバンドレーダの降水量に対して,大きく過小評価になっている.それによって,両データ間の日降水量差は,最大100(mm/day)ほど生じている.そこで,本研究では先述の時間帯を中心にX-MPの各種データの観測特性を明らかにし,X-MPの降水量が過小評価となった要因を明らかにする基礎的検討を行った.