水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2018年度研究発表会
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【蒸発散】
植生が顕熱,潜熱及びCO2フラックスに与える影響
*坂井 七海小森 大輔近 将史金 元植
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p. 144-

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抄録

植生による地表面の不均一性が接地境界層内の顕熱,潜熱及びCO2フラックスに与える影響を明らかにするために,タイのターク県にて複数の土地利用上の地上20m及び30mにおいて2010年6月1日から2010年9月30日までの期間,フラックス観測を行った.観測値から算出したフラックス値からフラックスに寄与している地表面の不均一性を表すパラメータであるεと,鉛直方向の風速分布を考慮に入れたフラックス値であるF*を算出し地表面の不均一性について各フラックスについて解析を行った.解析の結果,CO2フラックスでは地表面不均一性が高いと示された観測値は,潜熱及び顕熱フラックスでは地表面均一性が高いことを示した.CO2フラックスと潜熱フラックスは気孔コンダクタンスにおいて相似性があると言え,ソースエリアの植生に依存する.今回の観測では土壌水分の影響が蒸散より大きく,潜熱では均一地表面を示したと言える.また潜熱と顕熱は日射量に相似性があると言えるため,潜熱が地表面均一性が高かったことを示したため,顕熱も地表面均一性が高いことを示したと言える.

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