抄録
地上平均気温は、地球温暖化を評価する重要な指標であり、特に寒冷地や標高の高い地域では氷河や積雪の有無、河川洪水や水資源管理にも大きく影響を及ぼす変数である。地上平均気温の長期的な変化を知るために、地上観測を基にしたデータセットが活用されている。長期間の観測は、古くからある都市、ヨーロッパやアメリカ、植民地など限られた国の、平地の地点データが主であり、山岳地帯などアクセスが悪く、周辺環境が苛酷な地点での観測は限られている。
観測値に基づく日平均気温グリッドデータセットAphroTemp (Yasutomi et. al., 2011)を用いて、気候平均気温が高地のデータ入力数の多寡/有無によってどの程度の違いがでるのかを評価した。
本研究では、インド、ブータン、モンゴルなどから新たに提供を受けた観測データを追加してAphroTempV1801を作成し、高解像度の日平均気温データの気候値を作成し、その特徴を紹介する。