水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会2019年度研究発表会
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【降水】
Genetic programmingを用いたタイ王国における降雨量季節予測
*長谷川 青春鼎 信次郎
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p. 132-

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抄録

本論は、タイ王国における数か月先の降水量予測手法についての研究である。タイ王国では、洪水・渇水被害の軽減のため数か月先降雨量予測が必要とされている。一方、中期スケールでの降雨予測は、大気・陸面・海洋での環境場が複雑に関係しあって決定され、現在でも研究がなされている分野である。これらの環境場の変動をとらえるため、降雨量と9つの気候指数でのラグ相関を調べ、その結果相関に優位性がみられた気候指数を説明変数として、統計モデルの構築を行った。線形モデルである重回帰モデルと、非線形モデルである遺伝的プログラミングの2種類の統計モデルで予測を行った。結果、非線形モデルでは、線形モデルでは表せない渇水年の予測が可能となった。一方で、モデル学習が不十分な部分では、両モデルで渇水・豪雨年を平年値と予測してしまう傾向がみられた。非線形モデルは実用性という点では正確性に欠けるが、統計データから、極端な渇水年などの傾向を抽出することを可能にすることがわかった。

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© 2019 水文・水資源学会
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