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2016年8月,北海道に計4つの台風が上陸または接近し,連続した豪雨をもたらした.この豪雨によって北海道内では年降雨量に匹敵する降雨量を記録し,甚大な被害が発生した.この災害において特徴的であったのが台風10号接近時,北海道中央部を南北方向に横断する日高山脈による地形性豪雨が日高山脈東側に位置する地域で発生した点である.本研究では,日高山脈に起因する地形性豪雨による被害が大きかった地域の一つである十勝川流域の帯広基準地点集水域を対象に,無次元数を用いて降雨の地形依存性の評価を行い,地形性豪雨特定が可能であることが示唆された.