p. 22-
一級河川である千曲川立ヶ花観測所の実時間洪水予測のために運用されているモデルは、立ヶ花からその上流観測所である小市及び杭瀬下の区間は、3つの分割河道区間で構成され,貯留関数法で追跡する手法が用いられているが,計9つのパラメータ値設定根拠は不明である.更に,この実時間洪水予測モデルは平成17年以降発生した洪水データで更正されていない.本研究では,最新の水文データも利用して,当該区間の貯留関数法による実時間洪水予測モデルを構築した。解析手法として、当該区間への横流入量を解析した後に、小市と杭瀬下の流量を一つ河道区間に入力し,立ヶ花での流量を出力とする貯留関数法を用いた。新しい実時間洪水予測モデルは、6 時間先までの高精度な予測が可能となった.また,4 時間先までなら立ち上がり部とピーク流量発生時刻をより正確に予測することが可能となった.