HRLへの2本の既報(Tanno and Harada, 2021;Tanno et al., 2022)では、3渓流河川において、瞬間流量と期間平均流量の高い相関関係があり、指数型L-Q式の係数bが1の近傍にあることを示した。その結果を応用し、瞬間流量を用いて期間平均流出負荷量を求める、および適切なサンプリング頻度を検討するプロトコルを示した。本稿では、川幅が広く傾斜も緩やかな2つの水位観測所周辺での流量データ解析により同等の結果が得られることを示した。特に係数bが1の近傍になくても期間平均流出負荷量は瞬間流量と期間平均流量の回帰式を用いてある程度の精度で予測できることをセンシティビティテストにより示し、さらに高精度のセンシティビティテストを行うことにより、補正係数が得られる可能性を示唆した。