水文・水資源学会研究発表会要旨集
水文・水資源学会/日本水文科学会 2023年度研究発表会
セッションID: OP-7-03
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口頭発表(一般セッション)
降雨による土砂災害の死者数の長期変動は何によって決まっているのか?
*篠原 慶規久米 朋宣
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抄録

日本の降雨による土砂災害の死者数は,戦後,2000年頃まで一貫して減少してきた。1945年~2019年の降雨による土砂災害の死者数及び死者数に関わる様々な自然的・社会的要因の変動を比較・分析することで,自然的側面(降雨,森林)及び社会的側面(土木構造物の設置,危険性が高い場所の世帯数,1世帯あたりの人数,住宅構造,避難したかどうか)の両面から,この要因解明を試みた。2000年頃まで見られた死者数の減少は,住宅構造の変化(平屋の減少)に加え,前期は避難した人の増加が,中期は森林の成熟が,後期は土木構造物の設置が寄与した可能性が高いことがわかった。このように土砂災害の死者数減少をもたらす要因は,社会の成熟度と呼応し,時代と共に変化することがわかった。

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