日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
感染性心内膜炎を併発した侵襲性肺アスペルギルス症の一例
佐藤 幸子池田 智子有森 豊小野 剛佐伯 晋成
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2008 年 15 巻 4 号 p. 533-538

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抄録
症例は67歳男性,クレブシエラ肺炎,肝膿瘍,脳膿瘍,眼内炎の診断で集中治療を受けていた。心内膜炎は認めなかった。クレブシエラ感染症は治癒傾向を示し,人工呼吸器からも離脱したが,喀痰よりAspergillus fumigatusを分離した。ミカファンギンを投与したが,呼吸状態は徐々に悪化し,人工呼吸再開となった。血清アスペルギルス抗原が陽性であり,侵襲性肺アスペルギルス症と診断,アムホテリシンB,続いてボリコナゾールを投与した。肺病変は軽快したが,僧帽弁に疣贅と閉鎖不全を認め塞栓を疑う症状が出現したため,疣贅の摘出と僧帽弁形成術を行った。術後の経過は良好で,ボリコナゾールの内服を継続し,一般病棟へ退室となった。
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© 2008 日本集中治療医学会
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