抄録
【目的】リアルタイム超音波とX線透視を使用した腋窩静脈穿刺中心静脈カテーテル挿入法の安全性と確実性を検討する。【方法】この方法はリアルタイム超音波とX線透視をガイドとして,腋窩静脈穿刺とカテーテル挿入を目視しながら行う中心静脈カテーテル挿入法である。佐久総合病院において単独術者によってこの手技を実施し,穿刺回数,成功率,機械的合併症発生数などを記録した。【結果】45例を登録し,平均穿刺回数1.4回,穿刺成功率97.8%,カテーテル留置成功率95.6%,機械的合併症発生率0%であった。【結論】機械的合併症が発生せず,少ない穿刺回数で高い成功率が得られたことから,この方法は鎖骨下静脈穿刺法の改良法として有用であることが示唆された。安全性と確実性が高い中心静脈カテーテル挿入法として確立する可能性があるが,複数の術者による詳細な研究を必要とする。