抄録
【目的】大阪府立母子保健総合医療センター小児集中治療室(pediatric ICU, PICU)に入室した症例の実死亡率/予測死亡率比(observed mortality/predicted mortality ratio, O/P比)の年次推移を調査する。【対象・方法】2003~2006年に当センターPICUに入室した全小児症例を対象とし,心臓血管外科,それ以外の外科(以下,一般外科),循環器内科,それ以外の内科(以下,一般内科)の4群に分類した。PICU入室時の予測死亡率から,O/P比を各疾患群別,年度ごとに後方視的に調査した。【結果】全症例のO/P比は,2003年の0.61から2006年には0.30へと低下した。また心臓血管外科のO/P比も1.14から0.12へと低下した。一方,一般外科ではO/P比の低下を認めず,一般内科ではPICU入室時の予測死亡率が高く,経年的なO/P比も高値で推移した。【結論】当センターPICUのO/P比は年々低下していた。心臓血管外科・循環器内科症例のO/P比低下が,当センターPICU全体のO/P比低下に影響を与えた可能性が高い。