日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
原著
急性上腸間膜動脈閉塞症における予後に関わる因子の検討
西田 傑萩岡 信吾内藤 宏道杉山 雅俊森本 直樹
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 19 巻 1 号 p. 33-37

詳細
抄録

【目的】急性上腸間膜動脈閉塞症の予後に関わる因子を検討する。【方法】当院で経験した急性上腸間膜動脈閉塞症症例27例を28日生存群と死亡群に分け,患者背景,血液検査所見,所要時間を予後に関わる可能性のある因子として抽出した。【結果】死亡群では,Acute Physiology and Chronic Health Evaluation II(APACHE II)スコア18.2±6.4,乳酸値8.1±4.3 mmol/l,クレアチニン2.3±1.1 mg/dlが生存群に対して有意に高値だった。症状発現から治療開始までの時間は死亡群,生存群ともに15時間で変わらなかった。【結論】症状発現から治療開始までの時間は予後とは関わっておらず,クレアチニン,乳酸値が予後の指標として使用できる可能性が考えられた。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top