日本集中治療医学会雑誌
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原著
分光光度法で同時測定された中心静脈血酸素飽和度と混合静脈血酸素飽和度の極座標を用いた追随性の検討
高田 基志上松 友希垂石 智重子酢谷 朋子鈴木 照宮部 浩道下村 毅
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2015 年 22 巻 3 号 p. 194-198

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抄録
【目的】肺動脈カテーテル抜去後の循環モニターとして中心静脈血酸素飽和度(central venous oxygen saturation, ScvO2)が活用できるかを検討するため,分光光度法で連続測定されたScvO2と混合静脈血酸素飽和度(mixed venous oxygen saturation, SvO2)の相関関係と両者の追随性をみた。【方法】ICU帰室後,ScvO2とSvO2を同時に計測し記録した。Signal quality indicatorが1または2を示したScvO2とSvO2のペアを抜き出し相関関係と追随性を検討した。【結果】心臓外科手術を受けた患者24例のデータを解析した結果,相関係数は0.12~0.85と症例間のばらつきを認め,またバイアスも個々の症例で異なっていた。良好な追随性を示したのは2例のみであった。【結論】ScvO2は,SvO2との相関関係が症例により異なり,また良好な追随性を示す例も少ない。よってScvO2はSvO2とは別の循環動態の指標として認識する必要がある。
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© 2015 日本集中治療医学会
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