日本集中治療医学会雑誌
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調査報告
小児集中治療室での鎮痛・鎮静管理:看護師による現状調査
辻尾 有利子志馬 伸朗徳平 夏子大澤 智美
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2015 年 22 巻 4 号 p. 285-288

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抄録
【目的】日本の小児集中治療室(PICU)の鎮痛・鎮静管理の実践現状を看護師の視点から明らかにする。【方法】看護単位が独立した25施設のPICUの看護師を対象に,施設の実践現状に対する質問紙調査を行った。【結果】17施設より回答を得た。鎮痛・鎮静に関して,客観的評価を行っている施設はそれぞれ41.2%・23.5%,目標深度を設定している施設は23.5%・41.2%,マニュアルがある施設は11.8%・5.9%,看護師主導の管理を行っている施設は29.4%・17.6%であった。薬物療法では,ミダゾラム,フェンタニル,デクスメデトミジンの持続投与が多かった。多くの施設が離脱症状の問題について認識し,積極的に非薬物療法に取り組んでいたが,鎮痛・鎮静管理に満足と回答した割合は29.4%・47.1%と低かった。【結語】PICUの看護師にとって鎮痛・鎮静管理の現状は,満足すべき状況ではないと考えられた。
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© 2015 日本集中治療医学会
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