抄録
【目的】当院ICUにおける小児veno arterial extracorporeal membrane oxygenation(VA-ECMO)の現状を把握し,課題を検討すること。【方法】2008年4月から2013年3月までの小児VA-ECMO症例を後方視的に検討した。【結果】症例はのべ40例(生後3日~6歳),先天性心疾患周術期が39例であった。予後は,離脱当日生存率75%,退院時生存率58%と諸外国のデータと同等であり,15年前の当院における退院時生存率21%と比較して有意に改善した。最近5年間で,離脱当日生存率は33%から100%へと年次変化しており経年的に改善したが,生存率に有意な変化はなかった。【結論】VA-ECMOによる治療成績は過去と比較して改善した。抗凝固療法の改善,さらなる技術向上,長期フォローなどが今後の課題である。