日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
Amplitude-integrated electroencephalogram(aEEG)を用いた神経モニタリング:小児重症頭部外傷での使用経験
荻原 重俊田村 卓也上村 亮介立石 浩二横山 健川名 信
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2016 年 23 巻 2 号 p. 170-174

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抄録
【緒言】近年,重症頭部外傷における持続脳波モニタリングの重要性が報告されている。今回,小児の重症頭部外傷の急性期においてamplitude-integrated electroencephalogram(aEEG)を用いた神経モニタリングを行った2例を経験した。【症例】症例1は交通外傷による急性硬膜下血腫と診断された生後3ヵ月女児。第2病日からけいれん発作を認めた。臨床的なけいれん発作が頓挫した後もaEEGにて非症候性けいれん発作の群発が検出された。aEEGモニタリングを継続し,抗けいれん薬の調整が行われた。症例2は交通外傷によるびまん性軸索損傷と診断された7歳男児。けいれん発作の鑑別のためにaEEGを用いた緊急脳波検査が施行され,てんかん波がないことが確認された。【結論】小児の重症頭部外傷においてaEEGは外傷後けいれん発作の検出に有用であり,全身管理の質を向上させる可能性が示唆された。
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© 2016 日本集中治療医学会
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