【目的】ICUでの早期経腸栄養を目的に作成した,人工呼吸管理を要する重症患者への経腸栄養クリニカルパス(以下,パス)の有効性,安全性を評価する。【方法】後方視的にパスが適用されたPath群48症例とパス導入以前の40症例(Control群)を比較した。【結果】人工呼吸開始後の経腸栄養開始はPath群22時間,Control群45時間(中央値,P=0.03)と有意に短縮された。下痢,嘔吐の発生率は増加していなかった。人工呼吸器装着期間や院内死亡率は両群で差を認めなかった。【結論】ICUでのパスは,消化管有害事象を増やすことなく,人工呼吸を要する重症症例への早期経腸栄養を実現できた。