日本集中治療医学会雑誌
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原著
DIC合併重症敗血症患者に対するリコンビナントトロンボモジュリン投与の現状 —生存群と非生存群との比較—
奥田 淳鈴木 武志鈴木 悠太御園生 与志上田 朝美森﨑 浩
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2017 年 24 巻 5 号 p. 549-554

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抄録

【目的】遺伝子組み換え型ヒト可溶性トロンボモジュリン(recombinant human thrombomodulin, rTM)を投与したDIC合併重症敗血症患者の経過を後ろ向きに検討した。【方法】2013年9月1日から9ヶ月間で,当院ICUでrTMを使用した重症敗血症患者を対象とし,急性期DIC診断基準を満たしてからrTM投与までの期間,DICスコアの推移などを,生存群と非生存群とで比較検討した。【結果】重症敗血症症例は45例,rTMを使用した症例は17例であった。生存群ではrTM投与7日目のDICスコアは投与初日と比較して有意に低下していたが(1[1~4]vs 5[5~6]),非生存群では有意な低下はなかった(6[5~7]vs 8[7.25~8])。非生存群では生存群と比べてDIC診断から投与開始までが有意に遅れていた(3[0~4]vs 0[0~1]day)。【結論】rTMは早期投与が有効であり,DICスコアの推移は患者予後を反映する可能性が示唆された。

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© 2017 日本集中治療医学会
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