日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
小児大動脈弓再建術後の声帯エコー評価
吉田 美苗長谷川 智巳金子 尚樹黒澤 寛史
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2020 年 27 巻 2 号 p. 104-108

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抄録

【目的】大動脈弓再建術を要する先天性心疾患児は,術後に声帯麻痺(反回神経麻痺)を合併することが多い。従来から喉頭内視鏡によって診断がなされているが,今回,声帯エコーを用いた声帯機能評価を行ったので報告する。【方法】2017年10月から2019年1月までに施行した小児大動脈弓再建術のうち,術後声帯麻痺を疑う症状を呈した7例に対して声帯エコーを実施した。後日,耳鼻咽喉科医師による喉頭内視鏡を施行してエコー所見と比較した。【結果】大動脈縮窄症複合5例,大動脈離断症複合1例,左心低形成症候群1例の術後に嗄声を認めた。声帯エコーで左声帯麻痺6例,正常声帯1例と診断し,後の喉頭内視鏡で7例中6例が声帯エコー所見と一致した。抜管から声帯エコーまでの日数(中央値)は2日であった。【結論】声帯エコーは小児大動脈弓再建術後の声帯麻痺の診断に有用で,声帯機能評価のための検査法となり得る。

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