日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
劇症型溶連菌感染症「劇症分娩型」に血栓性微小血管症の合併が疑われたが救命し得た一例
山根 光知青山 正桃原 寛典榎本 尚助服部 晶子野々垣 幹雄竹市 広足立 裕史
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2020 年 27 巻 5 号 p. 403-407

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抄録

40歳の妊婦が発熱,腹痛を主訴に前医を受診し,常位胎盤早期剥離およびhaemolysis, elevated liver enzymes, low platelet count(HELLP)症候群の疑いで当院に救急搬送され,緊急帝王切開術を施行した。問診および術中所見から劇症型溶連菌感染症による「劇症分娩型」を疑い,アンピシリン,クリンダマイシンによる抗菌薬治療を術中から開始した。血液検査では溶血性貧血,腎機能障害を認め,血栓性微小血管症の合併が疑われ,早急に血漿交換を含む集学的治療を開始した。治療開始とともに全身状態が改善し,第7病日にICUから退室し良好な転帰を得られた。早期の抗菌薬治療の開始,昇圧薬投与,輸血療法,血漿交換を含む集学的治療により救命できたと考えられた。

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