日本集中治療医学会雑誌
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原著
ICUの重症患者における急性期病院から直接自宅退院が可能か否かを予測するfunctional status score for the ICU (FSS-ICU)のカットオフ値の検討
相川 駿松嶋 真哉横山 仁志武市 梨絵堅田 紘頌渡邉 陽介中田 秀一中茎 篤
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2021 年 28 巻 2 号 p. 99-104

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抄録

【目的】functional status score for the ICU(FSS-ICU)が自宅からICUに入院した本邦の重症患者において,急性期病院から直接自宅退院が可能か否かを予測する因子であるかを確認し,その目安となるカットオフ値を検討することである。【方法】対象は2017年4月1日から2019年3月31日までに,自宅から当院のICUに入室し48時間以上の人工呼吸管理を要した成人とした。調査項目はICU退室時のFSS-ICUおよび当院退院時の自宅退院の可否などを診療録より後方視的に調査した。【結果】解析対象は200例(年齢:72.0[58.0〜80.0]歳,男性:120例(60.0%),APACHEⅡscore:24.6±7.9点,FSS-ICU:12.5[0.0〜22.0]点)であり,その内訳は自宅退院群が61例(30.5%)であった。結果,FSS-ICUは自宅退院の可否の有意な予測因子であり(OR:1.200,95%CI:1.120〜1.290,P<0.001),そのカットオフ値は16点であった。【結論】FSS-ICUは自宅からICUに入院した本邦の重症患者においても,急性期病院から直接自宅退院が可能か否かを予測する因子であり,そのカットオフ値は16点であった。

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