2024 年 31 巻 6 号 p. 582-589
【目的】持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy, CRRT)中の抗凝固薬としてナファモスタットメシル酸塩(ナファモスタット)が普及している。しかし,その使用方法や期待されるフィルターライフのデータは乏しく,経験的に使用されている。そこで,情報を系統的かつ網羅的に収集し調べることにした。【方法】2023年12月にMEDLINE,Embase,Cochrane EBM Reviews,医学中央雑誌を検索し,CRRTにナファモスタットを使用した文献を対象として,スコーピングレビューを行った。【結果】32編の文献が対象となった。 フィルターライフは11.8〜54.6時間の範囲でばらついていた(重みづけ平均 34.1時間)。ナファモスタットの投与量は10〜40 mg/hrであり,ACTを指標にして,150〜170秒程度を目標としている文献が多かったが,調整の有無や方法はさまざまであった。【結論】ナファモスタットの投与量・抗凝固機能の指標はさまざまで,フィルターライフは約34時間であった。