日本集中治療医学会雑誌(以下,本誌)は日本集中治療医学会の機関誌であり,本誌への投稿・掲載は日本における集中治療にかかわる医療者の登竜門と位置付けられる。今回,より良い査読体制構築のため,全査読者を対象にアンケートにて本誌査読の現状について調査し,493名中280名から回答を得た(回答率56.8%)。自由記載では著者へのヒントとなる回答が多く得られた。査読が評議員の責務であるとの認識は高く,査読を忌避する者は少ないにもかかわらず,査読業務の偏りや時間的制約,および専門性の違いから査読依頼を断っている可能性が明らかになった。これにより,査読者の登録情報の整理や,機関誌編集・用語委員会での査読者選定のあり方を見直す必要性が示唆された。また,多くの査読者は科学性と教育的であることに留意していることが示されたが,その一方で査読者自身も査読方法に関する教材を要望しており,査読教育に関する取り組みの必要性が示された。