2025 年 32 巻 論文ID: 32_R19
【目的】日本の成人ICUにおいてhigh-intensity type ICUと院内死亡の関連を検討した。【方法】日本ICU患者データベース(Japanese Intensive Care Patient Database, JIPAD)を用いて,後向きコホート研究を行った。2022年4月から2023年3月までに成人ICUに入室した患者を対象とした。High-intensity type ICUと院内死亡の関連を交絡調整したロジスティック回帰を用いて分析した。【結果】解析集団は,87の成人ICUに入室した65,395例で,退院時死亡は5,862例(9.0%)であった。High-intensity type ICUの施設数は69であった。回帰分析では,high-intensity type ICUの調整オッズ比は,0.96(95% CI 0.88~1.05, P=0.36)であった。術後患者のみのサブグループでのhigh-intensity type ICUの調整オッズ比は0.81(95% CI 0.70~0.95, P=0.008)であった。【結論】日本の成人ICUにおいて,high-intensity type ICUは院内死亡の低下と統計学的に有意な関連を認めなかった。しかし,術後患者においては院内死亡の低下と有意な関連を認めた。