2025 年 32 巻 論文ID: 32_R39
【目的】睡眠の質向上のための方法を検討する目的で,日本語版Richards-Campbell睡眠調査票(the Japanese version of the Richards-Campbell Sleep Questionnaire, J-RCSQ)と痛みとの関係性を明らかにする。【方法】20歳以上の患者を対象とした後ろ向き観察研究とした。ICU退室日のデータから,患者因子[J-RCSQ,痛みについてのnumerical rating scale(NRS)等]や看護ケア因子(観察回数,体位変換回数等),環境因子(ICU病床稼働率等)を収集した。J-RCSQ average scoreを中央値で分け,NRSを0とそれ以外で2値化して単変量解析を実施し,主解析として多変量ロジスティック回帰を行った。また,痛みの強度による影響を確認する目的で,NRSを3群(0,痛みなし;1~3,わずかな痛み;≧4,明確な痛み)に分けたモデルでも補足解析を行った。【結果】252名を解析し,主解析では睡眠の質と痛みの有無に関連があった(OR 0.549, 95% CI 0.306~0.973, P=0.042)。補足解析では,わずかな痛み(NRS 1~3)のORは0.677(95% CI 0.342~1.338, P=0.261),明確な痛み(NRS≧4)のORは0.426(95% CI 0.204~0.888, P=0.023)であった。【結語】睡眠の質の悪化は,特に明確な痛みと関連があり,わずかな痛みとの関連も無視できないものであった。睡眠の質向上には痛みを評価し,十分な鎮痛を優先し実施する必要性が示唆された。