日本集中治療医学会雑誌
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圧支持換気下での鎮静薬プロポフォール中止による呼吸パターンの変化
藤田 喜久木村 素子横田 喜美夫木村 健一鳥海 岳原田 佳実藤井 智子左利 厚生
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2003 年 10 巻 2 号 p. 105-109

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抄録
我々は手術後で圧支持換気(PSV)により人工呼吸中の患者(n=7)を対象として,プロポフォール持続注入による鎮静中と持続注入中止後の覚醒状態での一呼吸サイクルごとの呼吸パラメータを解析し,プロポフォールを用いた鎮静の呼吸パターンへの影響を調べた。プロポフォール持続注入中止により患者は20分以内に覚醒し呼吸パターンの変化が確認された。すなわち吸気時間と平均吸気流速は不変であったが,呼気時間の短縮により呼吸数が増加し,分時換気量も増加した。鎮静中にはPSV下で低一回換気量(50ml以下)や過大一回換気量(平均一回換気量の2倍以上)の呼吸サイクルを認めなかったが,覚醒後には過大一回換気量の呼吸サイクルが0.3%の頻度で出現し,一回換気量の分散も大きくなった。以上の結果より,PSVによる人工呼吸患者でのプロポフォールの持続注入による鎮静は,呼吸ドライブには影響しないが,呼気時間を延長させること,患者と人工呼吸器との調和を良好に維持することが明らかになった。
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