2005 年 12 巻 4 号 p. 413-416
76歳の女性に肺動脈カテーテル(pulmonary artery catheter, PAC)の使用下で僧帽弁置換術を行った。ICU入室直後,PACのサーミスターコネクターとオプティカル・モジュールコネクターからの血液の漏出に気付いたため,PACの抜去を試みたが,抵抗があり困難であった。胸部X線写真,経食道心エコー上,PACが右房壁に縫合されていることが疑われた。再開胸術を施行し,右房壁の縫合を除去すると容易にPACを抜去することができた。PACの接続部から血液の漏出を認めた場合,PACの縫い込みを疑う必要がある。