成人冠動脈バイパス術後急性期におけるドパミン,プロスタグランジンE₁および塩酸オルプリノンの腎葉間動脈血流速度に及ぼす影響

抄録

成人冠動脈バイパス手術患者24名の術後急性期にドパミン(3～5μg・kg^-1・min^-1),プロスタグランジンE₁(0.02～0.05μg・kg^-1・min^-1)および塩酸オルプリノン(0.1～0.2μg・kg^-1・min^-1)を投与し,超音波ドプラ断層法を用い腎葉間動脈血流速度の収縮期最高血流速度(V_max),拡張期最低血流速度(V_min),V_max/V_minおよびresistance index=(V_max-V_min)/V_maxを薬剤投与前および投与後で比較検討した。各群とも薬剤投与前に比べ投与後ではV_max,V_minは有意な変化は認めず,V_max/V_min,resistance indexは有意な減少を認めた。成人冠動脈バイパス手術後急性期にドパミン,プロスタグランジンE₁および塩酸オルプリノン投与により腎血流量の増加が示唆される。