日本集中治療医学会雑誌
Online ISSN : 1882-966X
Print ISSN : 1340-7988
ISSN-L : 1340-7988
プロポフォールの持続投与が症状の改善に有用であった破傷風の1症例
森島 徹朗有馬 一田中 さゆき安藤 浩浅岡 峰雄勝屋 弘忠
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 9 巻 1 号 p. 35-38

詳細
抄録
プロポフォールが破傷風の発作抑制に有用であった症例を経験した。患者は50歳,男性。救命救急センターICU収容後,痙攣の抑制にジアゼパムを間欠投与し,鎮静のためにミダゾラムの持続投与を併用したが,コントロールは不良であった。第7ICU病日,不穏状態となりミダゾラムをプロポフォールに変更したところ,発汗,痙攣が抑制され良好な鎮静状態が得られた。第13ICU病日,プロポフォール投与開始後1週間が経過したため,ミダゾラムに変更したところ症状が増悪した。このため約5時間後,プロポフォールに再変更したところ症状は劇的に改善した。破傷風の痙攣重積で,ジアゼパムによるコントロールが不良と判断されたときには,ミダゾラムよりもプロポフォールが有用であると思われる。
著者関連情報
© 日本集中治療医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top