情報通信学会誌
Online ISSN : 2186-3083
Print ISSN : 0289-4513
ISSN-L : 0289-4513
論文
「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS
―個人情報の開示と対人関係の比較―
石井 健一
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 29 巻 3 号 p. 3_25-3_36

詳細
抄録

5つのSNSサービス (Facebook、mixi、モバゲータウン、グリー、Twitter) について、個人情報の開示が利用にどのような影響を与えているのかという視点から分析をおこなった。その結果、既知の友だちが多く個人情報の開示度が高い「強いつながりのSNS」 (Facebook、mixi) と、既知の友だちが少なく個人情報の開示度が低い「弱いつながりのSNS」 (モバゲー、グリー、Twitter) に分かれることが確認された。「強いつながりのSNS」は既知の対人関係、「弱いつながりのSNS」はネット上の対人関係と結びついていた。個人情報のうち属性情報の開示はSNSの利用頻度や友だちの数と有意な相関があったが、識別情報の開示は、既知の友だちの数のみに有意な相関があった。コミュニケーション不安やプライバシー意識とSNS利用の間には有意な関連はみられなかった。

著者関連情報
© 2011 情報通信学会
前の記事 次の記事
feedback
Top