情報通信学会誌
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論文
ワイヤレスクラウド時代のネットワーク中立性
─トラヒック混雑問題とオフロード率ガイドライン─
小牧 省三塚本 勝俊東野 武史
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2012 年 30 巻 1 号 p. 1_1-1_14

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抄録
これまで我が国におけるネットワーク中立性に関する主たる議論は、固定系コアネットワーク設備のボトルネックを対象に検討がなされ、ネットワーク利用の公平性とコアネットワーク増設コスト負担の公平性を中心に利害バランスを取るための方策を議論してきている。しかし、今後はスマートフォンやタブレットPCの増加により、クラウドサーバ群と端末間の大容量ファイルの移動・共有による移動系トラヒックの急増が予想される。
移動系サービスにおいては、ボトルネックの位置がコアネットワークの設備ではなく無線周波数資源の制限を受けた無線アクセス部分になることが想定され、課題や施策そのものが大きく変化する。本論文では、移動系ブロードバンドサービスにおける種々のボトルネック解決策を検討し、周波数有効利用が可能な無線LANマイクロセル方式へのトラヒックオフロード率ガイドラインの定量解析を行い、現在進みつつある移動通信事業者によるオフロードの加速を目的に、一般都市に適用可能なオフロード率ガイドラインを定量的に算出した。
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© 2012 情報通信学会
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