2013 年 31 巻 1 号 p. 15-29
新メディアサービスとの競争、地デジ投資の負担などで地上民放テレビ局の経営環境が厳しさを増す中、資本集中を促す政策が進んでいるが、放送においては多元性・多様性・地域性の実現が要である。本研究では、在京キー局主導以外の再編の可能性を探るため、地域の中核局である「基幹局」を対象に、その経営効率性を計測し、それに影響を与える要因の分析を行った。マスメディア機能も加味した分析の結果、自社制作比率が高いことや放送エリアが広いことが効率性を高めることがわかった。前者については先行研究と異なる結果である。経営面ではネットワーク協定の、政策面では県域免許制約の見直しが、基幹局経営に有効であると考えられる。