抄録
ケーブルテレビ (CATV) は、放送、インターネットなどを総合的に提供できるメディアであることから、1990年代には県内のデジタル・デバイド解消と県域の公共ネットワークとして活用するため、CATV網の整備を進める県が現れた。2000年代には、地上テレビ放送のデジタル化移行、ブロードバンド通信の普及が進む中で、特に山間部などの条件不利地域で民間事業者単独では整備が難しいことが課題となっていた。本論では、国のCATV網整備関連施策の動向を踏まえつつ、新たに条件不利地域でのCATV整備を広域で実施した事例について、情報ネットワークおよび地域メディアとしての観点から、その整備目的、過程、現状を検証する。それを踏まえて、条件不利地域にて整備されたCATV網について、情報通信ネットワークと地域メディアとしての観点から考察する。