情報通信学会誌
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論文
固定電話網(PSTN)からIP網への移行に当っての課題
福家 秀紀
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2018 年 36 巻 1 号 p. 61-74

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抄録

本研究は、利用者にも競争事業者にも大きな影響を及ぼす可能性のある、NTT東西の電話網(PSTN)からIP網への移行計画に関わる課題を評価することを目的とする。評価に当たっては、(1)消費者志向、(2)将来志向、(3)競争中立性、(4)規制の比例性の4つの視点を重視する。そのため、本稿は以下のように構成する。第一に、移行の背景として、ブロードバンドと携帯電話の普及の影響を確認する。第二に、2010年以降公表されたNTT東西の移行に関する文書を分析する。第三に、NTT東西の計画を受けた総務省の対応を分析する。第四に、NTT東西の計画と総務省の対応を対照させることによって、移行に当っての課題を明らかにする。最後に、以上の分析に基づき円滑な移行に向けての筆者の提案と今後の課題を示す。

なお、本件は現在進行中の事象であり、また移行計画の詳細が必ずしも示されていないことから、本研究も中間的なものであることを付記しておく。

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