情報通信学会誌
Online ISSN : 2186-3083
Print ISSN : 0289-4513
論文
インターネットでのニュース接触と排外主義的態度の極性化
日本とアメリカの比較分析を交えた調査データからの検証
辻 大介北村 智
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 36 巻 2 号 p. 99-109

詳細
抄録

インターネット上では、従来のマスメディア中心型の環境よりも、情報・ニュースの選択的接触が生じやすく、それによって人びとの意見の極性化が生じ、世論や社会の分断を招くのではないかという懸念が、多くの研究者や評論家から表明されている。本稿では、日本の「ネット右翼」やアメリカの“Alt-Right”に見られるようなネット上の排外主義に着目しつつ、2016年に日本とアメリカで実施したウェブ調査のデータから、ネットでのニュース接触が排外的態度の極性化(二極分化)傾向との連関について検証する。分位点回帰分析の結果、日本ではPCを用いたネットでのニュース接触頻度がユーザの排外的態度の二極化傾向と有意に連関していたが、アメリカではむしろ専ら反排外的な方向のみに変化させることが確認された。このことは、ネットにおける態度・意見の極性化の生起が、社会・政治・文化的コンテクストによって左右されることを示唆している。

著者関連情報
© 2018 情報通信学会
次の記事
feedback
Top