情報通信学会誌
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論文
国際海底ケーブル・コンソーシアムの変遷
─なぜ、海底ケーブル・オーナーはコンソーシアムを組もうとするのか─
戸所 弘光
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2021 年 39 巻 3 号 p. 23-36

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抄録

 国際海底ケーブルは、19 世紀後半から20 世紀前半の電信ケーブルの時代に特権設定契約に基 づく一私企業による所有・運営として始まった。第二次世界大戦後は通信主権を背景に、各国の 独占事業体の共同事業によるコンソーシアムが形成され、2000 年前後のケーブル・バブルの時代 には第2、第3 キャリアを含む大規模コンソーシアムができる一方、プライベート・ケーブルが 勃興した。バブルの崩壊とともに、ケーブル建設は一時ほとんど途絶えたが、数年後「UNITY」 が成立した時には、少数の事業者によるコンソーシアムが模索された。なぜ、資金力も技術力も あるオーナーが、調整や意思決定に時間がかかるコンソーシアムを形成しようとするのか。一義 的には、国際海底ケーブルが建設・運営されるための必須条件をクリアすることであるが、新ルー ト開拓に伴うリスク分散を図り、ネットワーク強靭化のために積極的にコンソーシアムを利用し ようとする動きも出てきている。

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