秋田県駒場北地区の保全池に,地元の理解,協力により通常どおり年2 回の配慮型の水草刈りが行われる空間と水草刈りを全く行わない空間を設けて,大~小規模の水生植物群落が存在する実験環境を準備し,区画法を援用してイバラトミヨの営巣場所を調査した.確認された巣は合計20 個で,水生植物群落周縁付近の区画で多く確認され,水生植物群落奥部の区画では確認されなかった.配慮型の水草刈りは中,小規模の多数の水生植物群落が存在する状態を創出させている.この行為は水生植物群落周縁の総延長の確保につながり,営巣に向いた場所の量的確保に結び付いていると推察された.