農業農村工学会論文集
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研究報文
西アフリカにおける栽培方式の違いによる稲作の水生産性
藤井 秀人DAWUNI BusiaTAHIRU FuleraYANGYUORU Macarius
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2010 年 78 巻 6 号 p. 515-522

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抄録

栽培方式の違いによる稲作の水生産性の比較を行うため,西アフリカガーナの沿岸サバンナ帯,ギニアサバンナ帯,半落葉樹林帯からアシャマン地区,ニャンパラ地区,ポン地区を選定し,各地区について3種類の栽培方式(陸稲,天水低地,灌漑)の栽培試験を2008年雨季作に実施した.その結果以下の知見が得られた.1) 稲作の栽培方式ごとの水生産性は,陸稲0.02~0.40kg/m3,天水低地0.28~0.53 kg/m3,灌漑0.24~0.66 kg/m3となった.陸稲については降雨量の違いにより水生産性に大きな差が認められた.天水低地の水生産性は灌漑と比較しても遜色のない値を示した.2) 水生産性は投入水量の増加に伴い増加するが,投入水量が650mmを超えると水生産性は低下することが今回の試験で示された.

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© 2010 公益社団法人 農業農村工学会
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