本研究では,岩手県奥州市胆沢区南部の北上川水系岩堰川支流の原川排水路に生息するギバチ(Pseudobagrus tokiensis)当歳魚の胃内容物分析を行った.供試個体は2009年10月29日に採捕した(n=31).分析の結果,本種の当歳個体は水生昆虫を中心とした底生無脊椎動物を主な餌としており,底生魚である本種の生態的な特徴を反映した食性であると考えられた.出現した餌項目に着目すると,ユスリカ類幼虫は全ての供試個体が摂餌しており,全餌項目の胃内容物重要度指数比の85.3%を占めた.このため,ユスリカ類幼虫は本種の当歳個体にとって重要な餌であると考えられた.