2004年の新潟県中越地震で被災した長岡市山古志地区M集落を対象として,養鯉池の復旧事業の実施状況を整理し,未復旧地の立地特性を分析した.結果は次のようである.経営規模で養鯉業者を分類した階層すべてに対して,新潟県創設の田直し事業は貢献した.しかし,小規模養鯉業者では未復旧地が多く発生した.また,区画面積が小さい,道路からの距離が離れた,地形勾配が大きい,標高が高い区画で,復旧されない傾向があった.未復旧地の発生を抑えるためには,平常時から養鯉池の施設機能条件と立地条件を整えることが必要である.