本研究では,河川魚道におけるサケの計数を目的として開発された電気伝導度方式による自動計数システム(魚カウンター)の計数原理を利用し,波付き管水田魚道を遡上するドジョウの自動計数システムの開発を試みた.室内および現地試験の結果,ドジョウ向けにセンサー部の配置を改良し,電圧を調整することで,波付き管水田魚道を遡上するドジョウを計数できることが確認できた.センサー部のビデオ撮影数と魚カウンターでの計数結果より,計数精度を求めた結果,現地試験による精度は86%であった.また,充電式のバッテリー(容量115Ah)と高分解能大容量データロガー(メモリ容量2GB)を用いることで,これまで研究事例がほとんどなかった電源確保が困難である現地水田での自動計数が実証できた.バッテリーを2つ並列にした場合,一度の満充電で79時間程度の連続観測が可能であることが確認できた.